【近代資本主義の父】渋沢栄一『論語と算盤』の感想【新1万円札】

 

こんにちは、やまぴー(@Astro8754)です。

 

2019年 – 年号は平成から令和に変わりましたが、少し前には2024年に紙幣を刷新するというニュースもありました。

 

「諭吉!」と表現されていた1万円札も、「栄一!」となるのでしょうか。なりそうですね。笑

 

そうです、新1万円札に起用されたのが、近代資本主義の父とも呼ばれる「渋沢栄一」です。渋沢栄一といえば、470社もの会社設立を成功させた人物で、ご存知の方も多いと思います。

 

今回は、渋沢栄一の代表的な一冊 − 「論語と算盤」について、記事にしようと思います。

 

『論語』とソロバンは、はなはだ遠くて近いもの

渋沢栄一(著) 「論語と算盤」P13

 

渋沢栄一の今後の露出(という言い方が適切かは不明)を考えると、「論語と算盤」を読んだという経験は、日本人としての教養の基本になる可能性が高いです。

 

現1万円札が福沢諭吉で代表作を『学問のすゝめ』とすれば、新1万円札が渋沢栄一で代表作は『論語と算盤』です。

 



 

渋沢栄一の名著、『論語と算盤』の難しさ

 

「論語と算盤」は渋沢栄一が実業や私生活の中で参考にしていた「論語」の教えについて、引用と実例を交えつつ書かれている一冊です。

 

印象としては、個人の心構えと日本の在り方について、割合で半々程度に説いているように感じました。

 

個人の心構え、すなわち道徳。日本の在り方、すなわち経済。それぞれについて、今でも生きた内容となっています。

 

各章の見出しは以下のようになります。

 

第1章:処世と信条

第2章:立志と学問

第3章:常識と習慣

第4章:仁義と富貴

第5章:理想と迷信

第6章:人格と修養

第7章:算盤と権利

第8章:実業と士道

第9章:教育と情誼

第10章:成敗と運命

 

恥ずかしい話ですが、僕は大学生の頃に「論語と算盤」を読んでおり、当時はあまり読解が進みませんでした。返り討ちです。

 

わたくし基準で恐縮ですが、各章の見出しにもあるように、難しい言葉も多いです。内容も難しいため、一読では十分とまではいかないと思われます。

 

逆に言うと、繰り返して読む度に新しい発見がある本だと思います。

 

渋沢栄一の表現〜『論語』とソロバン

 

冒頭にも書いたのですが、「論語と算盤」の最初では以下のような表現で『論語』とソロバンを表しています。

 

『論語』とソロバンは、はなはだ遠くて近いもの

渋沢栄一(著) 「論語と算盤」P13

 

『論語』は言わずもがな、孔子の弟子たちが孔子について書いた書物です。『論語』とソロバンは一見するとかけ離れているのですが、実は密接に関係し合っている…

 

そのような書き出しから、「論語と算盤」は論じられています。

 

2度だけ読んだ僕の解釈にはなりますが、

 

論語という道徳」と「ソロバンという経済」が、分断されているように見えて、実は強く結びついている

 

ということを、孔子の教えや渋沢本人の経済活動を例に論証している書籍だと感じます。(以前の日本では、道徳と商売は相容れないものと思われていたそうです。)

 

小難しいので…。平易に言うならば、「ズルをして得た富は滅びる。正しく経済活動を行うことが大事だ。」といった感じでしょうか。

 

目先の利益に走ってルールを破り、結果として不利益を受ける例は、今までもこれからも後を立たないでしょうね。

 



 

『論語と算盤』が資本主義以前に如何に本質か

 

単純な話で、100年近く昔に執筆された「論語と算盤」の内容が未だに支持され続けていることが本質である証拠だと思います。

 

この本を読むと、テクノロジーが進歩しようが、社会制度が変わろうが、道徳の部分にあたる人間の本質は変わらないし色褪せない。それを感じることができます。

 

論語ソロバン、すなわち道徳経済の対比となっているこの本。経済がどのように移り変わっても、道徳は本質的であり、密接に関わり続けているということがよくわかります。

 

月並みですが、100年経っても変わらないって、すごい。

 

ただ、それを言うなら、論語は約2500年前ですね。日本は弥生時代くらいでしょうか。いずれにせよ、すごすぎます。

 

『論語と算盤』で印象に残った言葉

 

最後に、印象に残った箇所をいくつか紹介します。

 

 キリスト教の説く「愛」と、『論語』の教えである「仁」とは、ほとんど一致しているのではないだろうか。ただし、そこにも「自分からする」と「他人からされる」という違いはある。たとえばキリスト教の方では、

「自分がして欲しいことを、人にもしなさい」

 と教えているが、孔子は、

「自分がして欲しくないことは、他人にもしない」

 と反対に説いている。だから一見義務ばかりで、権利の考え方がないように見えるわけだ。しかし義務と権利とは対照的に見えても、結局は一致するという指摘もある。だからわたしは、キリストと孔子が目指したものは最終的には一致するのであろうと考えている。

渋沢栄一(著) 「論語と算盤」P150

 

 そもそも現代の青年は、学問を修める目的を間違っている。『論語』にも、

「昔の人間は、自分を向上させるために学問をした。今の人間は、名前を売るために学問をする」

 という嘆きが収録されている。これはそのまま今の時代に当てはまるものだ。

渋沢栄一(著) 「論語と算盤」P193

 

 世間ではこれを見て「逆境の人だ」といい、たしかにいかにも逆境のように見えてしまうものだ。しかし実はそうではない、自分で招いた境遇にすぎないのだ。

渋沢栄一(著) 「論語と算盤」P212

 

読んだのは僕ですので、僕自身への戒めとしてピックアップしたものもあります。

 

というのも、せっかく読書するのであれば、自分にとって新たな気づきを得たいですよね。何も得るものがなければ、それは時間も労力ももったいない。

 

そういう意味では、誰にとっても無駄にならない本だと思うので、だからこそオススメできる一冊だったりします。

 



 

渋沢栄一『論語と算盤』はオススメできる一冊です

 

記事としては以上となります。

 

今回は、2024年から新1万円札に起用されることとなった渋沢栄一の名著、「論語と算盤」についての解説記事を書きました。

 

題を言い換えれば「道徳と経済」でして、その内容は平成〜令和においても通用する、現代ジャパン人にオススメ一冊です。

 

活用の幅は実業のみならず、例えばプロ野球「日本ハムファイターズ」の栗山監督は、「論語と算盤」を新人選手に渡しているそうです。

 

ビジネスパーソンからプロ野球選手まで、あらゆる人に読まれている「論語と算盤」は、多くの人にとって純粋な道徳心の原点に立ち返ることができる一冊だと、思います。

 

 

はじめに書いた通り、本当に、日本人が触れるべき教養になるかもしれませんね。福沢諭吉の「学問のすゝめ」と並んで…。

 

やまぴー
Have fun!