【おすすめ図書】ポール・グレアム『ハッカーと画家』【読書感想】

 

こんにちは、やまぴー(@Astro8754)です。

 

 口にできないことを発見したら、どうしたらいいだろう。私なら、それを口にしないようにと忠告する。少なくとも、不毛な争いは避けて通るべきだ。

 例えば、将来、黄色を禁じるような運動が起こったとしよう。何かを黄色に塗ろうとしたり、黄色を好むそぶりをみせたりしたら、「黄色主義者」というレッテルが張られるんだ。オレンジ色を好む人は一応許されるが、疑わしい目で見られる。さて、そこであなたが、黄色には何も悪いところはないんじゃないか、と気づいたとする。それを言い触らして回ったら、たぶんあなたも黄色主義者と呼ばれ、反黄色主義者との際限ない議論に巻き込まれるだろう。もちろん、あなたの人生の目的が黄色の復権にあるのなら、闘いは望むところだろう。だが、あなたのやりたいことがいろいろな問題を考えてみることだとすれば、黄色主義者と呼ばれることは邪魔でしかない。愚か者と議論する者は愚か者になるのだ。

Paul Graham (著)「ハッカーと画家」P.50

 

とても、意見の分かれそうな一節です。例えば、3通りの人間に分けてみます。

 

1.そもそも口にできないことを見つけられない人

2.口にできないことを口にしてしまう人

3.口にできないことに気づきつつ口にはしない人

 

1と3は似て非なるもので、且つ、1より2、2より3の人数が少ない印象です。しかも、その人数割合の推移は、指数関数的だと思います。

 

行間を読んだだけの憶測レベルですが、ハッカー(≒優れたプログラマー)は3寄りであると、暗に意味しているように感じました。

 

そうです。今回紹介する1冊はPaul Grahamの「ハッカーと画家」という作品です。

 

 



 

『ハッカーと画家』とは

 

前提ですが、ハッカーは悪人ではありません。優れたプログラマーを示す、どちらかと言えば褒め言葉です。

 

著者のPaul Grahamは初のWebベースアプリケーション=Yahoo! Storeを作った人物です。ハーバード大学で計算機科学のPh.D.を取得しており、その後、デザイン学校や美術学校で絵画も学んだそうです。

 

そんな彼が、ハッカーと画家は本質的には似ている、と。ハッカーと画家は「はなはだ遠くて近いもの」ということですね。

 

ハッカーは、画家や建築家や作家と同じ、ものを創る人々だ。

 

と、本の目次には書かれています。ここでの主語がハッカーであるように、「ハッカーと画家」ではハッカー(≒優れたプログラマー)を主題として書かれています。

 

ハッカーを目指す人にはもちろん、非IT系の人にこそ読んでもらいたいと願う一冊です。

 

その理由は、どんな分野であれ、プログラマーと協働する場面が増えていくのは抗いようのない風潮だと感じているからです。

 

 

ちなみに、途中で使った表現、「はなはだ遠くて近いもの」の引用源は『論語と算盤』です。そう考えると、同じロジックのタイトルなんですね!

 

 

エンジニア的に『ハッカーと画家』で面白かったポイントと解説

 

僕自身は成り立てのエンジニアでしかありませんが、「好奇心」は優れたプログラマーに(を)育つ(てる)ための判断軸になると感じた一節がありました。

 

こちらです。

 

 最高のハッカーはもちろん賢いけれど、それはほかのいろいろな分野でも同じだ。ハッカーについてだけ特有な資質というのはあるだろうか。何人かの友人に尋ねてみた。最初にあがってくる答えは、好奇心だった。賢い人はみな、好奇心が強いと私は思っている。好奇心は単に知識の一階微分だからだ。それでも、ハッカーはとりわけ好奇心が強いようだ。特に、ものが動く仕組みに関しては。ある意味それは当然かもしれない。プログラムというもの自体、実質的に、ものが動く仕組みの巨大な記述だからだ。

Paul Graham (著)「ハッカーと画家」P.237

 

まずは、印象的なフレーズ=「好奇心は単に知識の一階微分」については、たしかに!というか、僕も今後使っていきたい表現だと感じました。

 

翻訳された言葉ではありますが…笑

 

 

また、実際にコミュニケーションをしてみれば、その人の「好奇心」の有無はすぐに分かるような気がしています。

 

エンジニアになって感じることは、好奇心が小さい人はなんというか…、受け身な姿勢なことが多く、将来的に凄腕にはならないような気がします。

 

僕なんかが偉そうですが、そう思います。

 

これに関する余談として、最近はこんな雑談をしました。

 

ある人
無遅刻・皆勤賞属性で育った人間は従順で飼いやすい反面、そこに新しいアイデアは期待しないかな。成績は良いけど、頭は良くない、みたいな。

 

やまぴー
辛辣ですねw でも確かに、連立方程式で解けそうな問題に対して「考えなしに(x, y)を置く人」と「問題を見極めて(x, y)以外の方法を検討する人」がいたら、後者の方が何というか、イノベーティブですよね。

 

プログラマー以外でも成り立つ話ですが、好奇心が知識の一階微分だとすれば、好奇心と時間軸との間の総面積が知識量です。

 

学校や会社の規則とか、その範囲内で与えられた環境から知識を得ているだけでは、どうしても面積の上限値は小さいですよね。

 

無遅刻・皆勤賞で得られる何らかの充足感と、ルールからはみ出してみる実験とか、その類の仮説思考の機会。どちらかが正解って話ではないですが、育まれる好奇心は後者の方がデカそうです。

 



 

『ハッカーと画家』感想まとめ

 

今回は『ハッカーと画家』という作品について、メモを残しました。

 

最近では、世間が自己啓発書とかビジネス書に飽きつつあるという雰囲気を感じます。

 

どちらかと言うと、特定の世界観を持った図書とか、娯楽としての図書が覇権を取り戻しつつあると感じるのは気のせいでしょうか?

 

そういった意味でも、『ハッカーと画家』はある種では文化的で楽しめる人も多いと思います。

 

 

やまぴー
Have fun!